子供が自転車で人にぶつかってしまったら

子どもが自転車で人にぶつかってしまった!ごめんなさーい!では、今は済まされない時代です。自転車の事故では出会い頭事故が一番多いのですが、車が危ないからと歩道をスピードを出して走っていて高齢者とぶつかり、倒れた高齢者が死亡してしまうという事故も発生しています。この場合、自動車ではなく自転車で、しかも子供の事故だからと多めに見てもらえるものではありません。

今、子供の自転車事故は加害者になった場合に、親にも深刻な状況をもたらすということを頭に入れておかなければいけないのが現実です。

 

交通ルールを守らせる

交通ルールを子供に守らせる、それは当たり前ではあるのですが、守れないことが深刻な状況をもたらすということは、子供も親も認識が薄いかもしれません。今までは子どもが自転車でぶつかったりした場合、自分の子供の怪我や死亡が怖いのが一番で、あとは子供にきちんと相手に謝りましょうという程度だったかもしれません。しかし近年は自転車の交通ルールがとても厳しくなりました。

守らずに事故に至り被害者が発生した場合、子供の監督義務責任を親が問われることになります。交通ルールを言い聞かせていた程度では、子供への交通ルールの指導が抽象的で親が監督義務の責任を果たしたといえないという判決が出た例もあります。

たかが子供が起こした事故といえないところは、やはり相手に大切な家族があり、それを傷つけてしまったり死亡させてしまえば、相手に大きな悲しみをもたらすということがあるところです。そして、加害者の子供の親の元には損害賠償などの多額の支払い命令がくるのです。

 

自転車運転免許?!

自治体レベルでは自転車運転免許を交付するところもあります。その動きは活発化しているといえますね。自動車と違い教習所で練習して乗ることもなく、交通ルールのテストがあるわけでもない自転車。就学前の交通ルールを把握しきれない年齢でも気軽に自転車に乗って、親の目がなければ何処へでも走って行けてしまいます。自転車での被害者が多くなるにつれ、自転車も免許証制にしようと考えられるのも頷けますね。ただ、やっぱり被害者にも加害者にもなる機会がある自転車、免許証制ではない区域の方でも十分に子供に安全な運転を教えておきたいものです。

 

自転車には自賠責保険義務がない

車やバイクは自賠責があり加入義務があります。また任意保険の加入も推奨されていますね。ところが自転車には自賠責保険の義務さえありません。何かあれば、まるまる損害補償金を自己負担で支払うことになります。これが10万や100万円とかではなく、死亡事故になるとウン千万円という額になります。誰にでもありうる事故ですし、その時になって慌てても仕方ありません。とりあえず、自宅に車があって任意保険に入っている場合は特約などで家族の自転車事故をカバーしてくれるものなどに加入すると良いでしょう。それでも、保険で補いきれない額は加害者が負担する事になります。保険にそういった特約が無い場合は個人賠償責任保険などに加入しておきます。